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結婚式のお菓子撒きは、名古屋だけのもの?

2023.11.04ブログ

最近では、挙式後のアフターセレモニーや披露宴の余興として楽しまれている「お菓子まき」

写真;三澤 武彦氏

このお菓子まき、「名古屋の結婚式名物」と言われていますよね。
今日はその、「お菓子まき」について、お話しますね。

 

「お菓子まき」のルーツは上棟式?

皆さんもご存知の「餅まき」。
これが「お菓子まき」の起源の1つ とも言われています。
「餅まき」は、神社での神事や上棟式で行われるものです。

神事の「お餅まき」、正式名称が『散餅の儀『散餅銭の儀』という、災いを払うために行われる大切な儀式です。
儀式では、神様に「お餅」がお供えされます。 (ご神饌)

おもちの丸い形は、三種の神器のひとつである鏡に見立てられており、鏡餅に代表されるように、神道においては神聖なお供え物とされているそう。

「神社新報」平成25年5月29日第2555号

 

神饌のお下がりのお餅を参拝者に配ることで、参拝者の厄払いと繁栄を願い、そのお餅を食することで、神様のパワーを体に取り入れるのです。

上棟式での「餅まき」も厄払いのほか、お福分けの意味も込められています。
家を建てるということは富みの象徴と言われていた時代がありました。昔も今も、1軒の家が立つまでは、地域の協力無くしてはできない成し得ないことです。
その地域の方々に感謝の気持ちと、「これからもよろしくお願いします」の願いを込めて
お餅や(昭和の時代にはお金もあったそうです)を撒いていました。

名古屋では、そのお餅に「お菓子」が含まれるようになったようです。

「お菓子まき」は名古屋だけ?

「お菓子まき」は、名古屋特有の結婚式文化と言われていますね。
それが、全国にも似たような風習があったようで、その風習が色濃く残っているのが
「愛知県」のようです。

先述のお餅まき、神事でもあるので全国で見られる光景でした。
同じように、結婚式に向かう花嫁の行手を防ぐのも全国に見られる光景だったのです。

昭和30年代までは、花嫁は自宅で支度を整え花婿の家に向かいます。
嫁に行くということは、その村や町から1人出て行ってしまう・・・。村の大切な働き手が減ってしまう!!
それは困る!! ということで、村や町の人が「嫁に行けないように」行手を阻んだでいたそうです。
「名古屋市史 風俗編」によると、古くは元文4年(1739年)の町触で、嫁入りの妨害を禁じていたことが、確認されていました。

人、1人のチカラをとても大切にされていたんでしょうね。

写真;新修名古屋市史 民族編より

 

花嫁がスムーズにお家から出るために生み出された策が、屋根からお菓子を撒く「お餅まき」。
花嫁行列を通せんぼしている人たちに、道を開けてもらうために渡したのが、「花嫁菓子」だったそうです。

 

名古屋では、このお餅が江戸時代に「お菓子」になってきたようです。
この頃の名古屋は、名古屋城を作るために全国から人が集まり、名古屋はお菓子の一大生産地になっていました。

嫁入りの際は「紅白饅頭」や「お餅」だったものが、日持ちをする「お菓子」に変わっていったそうです。

 

「お菓子まき」 撒く?配る?

名古屋嫁入り物語 では、屋根から撒いていたお菓子。
ん? 通せんぼのお菓子は配っていて・・・? どっちなのでしょう?

これは、どちらも正解です。
「名古屋市史風俗編」によると、

花嫁が自宅で支度を整えて実家を出る時  に、ご親戚の男性が「嫁御のお菓子よ」と言いながら「お菓子」を『撒く』。

花嫁が新郎宅に近づくと、車や人力車からおり花嫁道中を組んで歩いて、新郎宅前にいる人々に
「お菓子」を『配る』

パターンがほとんどでした。

花嫁は実家を出てからは、後ろを振り返ることはできないので、「お菓子撒き」の様子を見ることができませんでした。
花嫁道中は、先頭にはお仲人夫妻が先頭で歩きます。綿帽子をかぶっている花嫁は、お菓子を配っている様子が見えなかったそうです。

結婚式 菓子まき
写真;『新修名古屋市史』民俗編より

ご実家を出る時には「お福分け」「今までお世話になりました。ありがとう」の気持ちを込めて
婚家近くでは「これからお世話になります。よろしくお願いします」の気持ちを込めて
お菓子を配っていたようですね。

ちなみに・・・お菓子撒きの予算の組み方はこちらをご参考に

misawa-world
この記事を書くにあたって、お菓子巻きの写真をお借りした、三澤さんのHPです。

どの時代も、「結婚」という大きな転機を迎える時、
大きな幸せを手に入れる代わりに、さまざまな形で周りにご恩返しをしていました。
それは、身近な家族だけでなく、自分を支え来てくれた「地域の方」や
これから新しい関係を作っていく「地域の方」にもその気持ちを伝えていたのですね。

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